君はマジシャン【人見知りのインド一人旅】
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人見知りがインド行ったら人生変わった話。第二話
空港からバスでホテルに向かう前に、日本円をインドの通貨「ルピー」に変える必要があったので、空港内の両替所に向かった。
両替所のインド人の店員さんは、すごい気さくな人で、僕の日本円を手際良く数えてくれた。そして、僕は何も考えずにお金を受け取ろうと手を伸ばした。
すると、そのインド人の店員さんは、僕の手をみて、「ちょっと待て」と言った。
それからオジサンは、僕の目の前でもう一度お金を念入りに数えてからこう言った。「オッケー。これでもう大丈夫だよ。」
「間違えないように、二重チェックしてくれるなんて、何ていい人なんだろう!」僕はそのお金を笑顔で受け取った。
けれど、何かその行動に違和感があった。
なんか、浅草園芸ホールのマジシャンが、「ほらね、タネも仕掛けもないですよ?」的なことを言っているような気がした。
だから、僕は両替所の横で、ゆっくりとお金を数えることにした。するとやっぱりお札が1枚足りなかった。
「けれど、何て言えばいいのだろう。めちゃくちゃ緊張する。。。」「もし間違っていたら相手にも失礼になってしまうし。。」
不安な気持ちで胸がいっぱいだった。
僕はトボトボと歩いて、両替の窓口に引き返した。
すると、そのインド人のおじさんは僕の姿を見るなり、何も言わずに、「ニヤッ」と笑いながらお札を返してくれた。
「はい!ダウト!」
「こいつ、確信犯だな!」と僕は確信した。
「緊張して、損したぞ!」
お札を人差し指と中指の間に挟んで、「チョリーッス」的な感じで返してきたのが、より一層腹立たしかった。
日本円にしたら、たかだか100円とか200円くらいかもしれないけれど、僕はお金を失うことよりも、誰かに騙せれてしまうことが許せなかった。
お金の問題じゃない!気持ちの問題なんだ!!
まぁ、これから多くのインド人に騙されてしまうことを、この時の僕はまだ知らなかった。
つづく。。。