インドで人生観は変わらないのか?【第11話】伝説のチャンピオン
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インドは、最低で、最低で×100、最高な国だった。これは人見知りがインドに行って人生が変わった話。第11話。
僕の目の前に「耳かきチャンピオン」が現れた。
彼はカタコトの日本語でこう言った。
「ワタシ、、耳かきのチャンピオンです。」
「そっか、そっか、」
「君は、耳かきのチャンピオンなんだね、、、」
「いや、あやしすぎるよ!」笑
「幸せの壺とか、幸せのネックレスを売ってるやつの200倍あやしいよ!」
話を聞くと、このインド人は、10ルピーとか20ルピーとかで僕の耳を掃除してくれるらしい。
どんな商売だよ。
そういえばさっき、お風呂場にあるような薄っぺらい体重計の前に座って、使用料1回1ルピーで商売してるインド人がいたぞ。
「誰が利用するんだよ。」笑
インド人全員、発想が斬新過ぎるよ!
僕は、「すみません。結構です。」と断った。
けれど、耳かきチャンピオンはなかなか引き下がらない。
さすがは「チャンピオン」なんて打たれ強さだ。。。
「このノートを見てください。」と耳かきチャンピオンは僕に言った。
「何ですか?交換日記ですか?」と僕は思った。
そのノートは「カスタマーノート」みたいな感じで、コクヨの大学ノートみたいなやつに、今までのお客さんが利用した実際の声が手書きで書かれていた。
英語とか日本語とか色々な文字で書かれていた。
僕は、そのノートを少し読んでみることにした。
「 It's really nice !」(めっちゃいい!)
「So cheap」(めっちゃ安い!)とか僕が見た限りでは、欧米人は比較的好意的な文章を書いていた。何でも楽しむ性格なんだろうか。
僕が、面白がってその本を読んでいると、耳かきチャンピオンは日本語とか中国語とかが書かれているページを、嬉しそうに開いて指さした。
特に、僕が何人であるかは言わなかったけれど、「お前はこのページの文章が読めるだろう?」的なことだった。
僕はそのページを見て、少し切ない気持ちになった。
もちろん、僕は中国語は読めなかったけれど、
そのページには、日本語で「こいつの手はきたない!!」と書かれていた。
他にも、日本語の汚い悪口が色々と書かれていた。一説にはYoutubeのbadボタンを押すのは、日本人が一番多いらしい。
僕は「耳かきチャンピオン」がこの日本語の悪口を、自分への「褒め言葉」だと勘違いして、誇らしげにしているのを見て少し切ない気持ちになった。
それと同時に、年齢的に1周りも2周りも若い「日本人のただの学生」である僕に対して、一生懸命あきらめずに接客するチャンピオンの行動は、これから社会人になろうと考えている僕の胸に尊敬の念を生んだ。
それと、別のページにこんな日本語のコメントもあった。
「うーーん、やるかやらないかはあなた次第ですが、もしかしたら貴重な体験になるかもしれません。」と書かれていた。
僕は、クスっと笑って「大人びた意見だな。」と思った。
すると、、
もう既に、、
「耳かきチャンピオン」は僕の右耳に耳かきを差し込んでいる状態だった。
「 ちょ、ちょっと!!」
「ちゃ、、、チャンピオン!!」
「ちょっと待ってよ!!」泣
つづく。。。