ホテルを探せ!【インド旅行記】
スポンサーリンク
人生初の、インドでの一人旅に挑戦した話
イケメンのドイツ人のお陰で、何とか地下鉄の駅までこれた。
「思えば遠くまで来たもんだ。」と武田鉄矢の声が脳内でリピート再生されている。
僕は、窓口で電車の切符を買った。
10ルピー(20円)くらいの切符だったので、100ルピー札を係員に渡した。お釣りが80ルピーしか戻って来なかったけど、その1枚を取り返す気力はもう既になかった。
「あきらめたら、そこで試合終了ですよ。」とスラムダンクの安西先生の声が聞こえたけれど、今日はあきらめることにした。
「安西先生。日本に、、帰りたいです。。。」
電車に乗ると、車内はガランとしていて、座席に座っているのは僕一人だけだった。数分後、隣の車両からフラフラとインド人の男性が同じ車両に入ってきた。
8人がけくらいの長椅子で、他にめちゃくちゃスペースが空いているのに、そのインド人は僕の真横に座った。
そして、僕のヒザとかモモを「スリスリ」と無言で触り初めた。
まるで、DJがターンテーブルをスクラッチするような感じで、そして彼は、なぜだか頭を上下に振っていた。
「このバカチンがぁ!君は腐ったみかんだぁ!」と心の中で静かに叫んだ。
スリなのか、痴漢なのかは分からないけど、とにかくこいつはヤバイ。
僕も「ズーーん、ズーーん」と肩と頭を上下にふって、ゆっくりと別の車両に移動した。「グッドバイ、ブラザー!」「いい箱で演奏しろよ!」
そうこうしていると、目的地の駅についた。
ぼくは、この1ヶ月間のインド旅行で、最初の3日間だけ宿を予約していた。今はそこに向かっている最中だ。
そして電車を降りてから、旅行代理店でもらった地図を確認した↓
(画像はイメージです。)
「なんじゃこりゃぁあ!!」by 松田優作
子供が書いた宝の地図ですか!?
なんか、古い喫茶店の「名刺の裏に書いてある地図」より分かりづらいぞ!
僕が持っている地図には、「最寄駅」と「道路2本」と「そのホテルの名前」しか書かれてなかった。
いやさ、オシャレな日本のカフェならそれでもいいのよ?けれどそこはインド、建物は茶色くて看板とかは出てないし、看板の文字はヒンドゥー語だし、コレは自力で探せないと思った。
ここから探せって言われても無理でしょう? ↓
少し駅前を歩いたけれど、自分では探せなかったので、三輪車タクシーのオジサンに道を尋ねた。
「この○○っていうホテルを知っていますか?」
「あぁ、わかるよ!俺が連れっていってやるよ。」
「良かった!料金はいくらですか?」
「10ルピーだけでいいよ。」
「分かりました。宿の目の前までお願いします!」
「オッケー!任せておけ!」
助かった!と僕は思った。。
けれどその数分後、
「うーーん、ここだと思うんだけどなぁ。見つからないなぁ。」
「場所が分からないから、ここでお前は降りろ。」とオジサンは言った。
「お、オジサン。」
「ちょっと、待ってくださいよー!」と、売れてないYoutuberくらい僕は叫んだ。
「さっき分かるって言ったじゃないですか、ホテルの目の前まで連れていってくださいよ。」
「いや、なんか見つからなかったわ、ここが地図に書いてある道なのは間違いないからさ、あとは自分で探せ。」
「それと、料金は20ルピーね!」
「いや、何でだよ!!」
何で目的達成できずに、料金が上がってるんだよ。笑
とりあえず僕は最初に言われた10ルピーだけ払ってタクシーから降りることにした。インド人とは最初に金額はいくらなのか、本当にその場所に行けるのかどうか、念入りに確認した方がいいことを学んだ。
僕は、露天のお店がまばらにあるような通りを1人で歩いた。街灯はあるにはあるけれど、電力が弱いのと間隔が広すぎることにより、道を明るくするという役目は果たせていなかった。
歩いている途中、何人かの若者に声をかけられた。けれど、全て無視して真っ直ぐ歩いた。
さらに歩くと、車の横に立っている若者が「この車に乗らない?」と声をかけてきた。
僕は、少し迷ってその車を3秒くらい眺めてしまった。タクシーとかそんなのではなくて普通の乗用車だった。
すると、その若者は僕の手を無理やり掴んで、後部座席に無理やり押し込もうとしてきた。
僕はその手を振り払って、「アイ ライク ウォーキング」と叫びながら、走った。「アイ ライク ランニング」と言うべきだったと後で感じた。
もうねウサイン・ボルトくらいダッシュしたよ。 誰かがタイムを計測してくれていたら、間違いなく世界記録出てたね、という見事な走りだった。
僕は、途方にくれていた。時刻は深夜12時になろうとしていた。ここで野宿したら本当に死ぬ。。
何となく、僕は近場の宿屋に入った。
その宿屋で、僕が泊まる予定のホテルの場所を聞いてみた。
何となく、「同業者なら場所を知っているんじゃないか?」とそんな気がした。
「身体は大人、頭脳は子供」という僕の中の逆コナン君が久しぶりに活躍した。
宿屋のおっちゃんが「あぁ、ここ知っているよ。」と言った!
「ビンゴ!」町内会のビンゴ大会で、冷蔵庫が当たった人でもこんなに喜んでいる奴はいない。
「どこですか?教えてください。」と僕はいった。
「この道を少し歩いて、右手に見えるところだよ。」とおっちゃんは言った。
ぼくは「センキュー」と言って、目的地の宿屋に向かった。少し歩くと本当にその宿屋が見えた。
見た目はボロボロな宿だったけれど、「ツチノコ」を見つけた人よりも感動していたことだろう。
なんか土っぽいし、めちゃくちゃ見つけづらいから、今日からここは「ツチノコホテル」だ!
ぼくは、やっとのことで「ツチノコホテル」にチェックインした。
網走の独房みたいな部屋に案内された。
ぼくはすぐさまベッドにダイブして、泥のように眠った。
銃剣を喉に突きつけられて、バスの窓が割れて、ドイツ人と出会って、おつりを誤魔化されてと、色々なことがあった1日だった。
あまりにも疲れていたからか、深夜3時にホテルの前で大声で叫ぶ若者や、ガラスの瓶が割れる音は、もうたいして気にはならなかった。
つづく。。。