インド行ったら人生変わった【第28話】タージマハルのある街アグラ
インドに行ったら人生変わった。
第28話
ニューデリーに別れを告げて、
タージマハルのある街、アグラに電車で向うことにした。
駅構内は沢山の人がいて、人混みを書き分けて進む。
何人かに声を掛けられた。
「チケット?」
「日本人?」
「アニョハセヨ」
「ニーハオ」
とにかくこっちの気を引こうという沢山の言葉を浴びながら、なるべく反応しないように、トラブルを避けるため地面と人の足だけみてプラットフォームに向かった。
チケットはもう入手してるけど、どこのプラットフォームで何時に電車が来るのか確証が欲しいと思った。
プラットフォームを歩いている時、イギリス人紳士がターバンを巻いたインド人に小銭を渡して荷物を運んでもらっているのを見た。
もう僕はこれだと思ったね。
お金を払わないと価値のあるものは手に入らないんだからさ。
僕はプラットフォームに立っているターバンを巻いたインド人に一番安い硬貨を渡して、自分のチケットを見せた
「Sir, Where should I go to get my train ?」と僕は言った。
丁寧に、相手が嫌な気分にならないように、
「あぁ、何番線だよ。あの歩道橋を渡れ。」
「荷物は?いいのか?」と彼は言った。
「Thank you Sir , I'm OK」と僕は言った。
ターバンを巻いた人、無口な大人、お金を払ったものは信用できる気が今はする。
無事に列車に乗った。
窓には鉄格子がはめられていて、まるで囚人を運ぶ乗り物のようだった。
列車は荒野を走り、古都アグラに向かう。
途中、ゴミ山で居眠りする牛と赤ん坊の姿が車窓から見えた。
硬いシートと列車の振動に耐えながら、
アグラに到着するのはただただ待っていた。
つづく、、、