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【インド旅行記】「コンノートプレイス」でつかまえて

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人見知りがゆく、初めてのインド旅行記。第4話

 

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夜の10時に、空港からローカルバスに乗った。

 

 

 

大体の人は、ホテルの送迎車かタクシーを使う。そしてもし君がインドに今度行くのなら、「絶対にタクシーを使え!!!」バスのメリット何て1個もないから。

 

 

バスを使うとだいたい100円くらいで目的地に行ける。例えタクシーを使っても200円とか500円とかで行けるだろうから、外国人にとってバスを使うメリット何てほぼない。唯一あるメリットは、「おれ、あんな汚いバスに乗ったんだぜ!」と言えることだけだろう。

 

 

インドのローカルバスは、運転手の横にバスガイド的なおっちゃんがいて、そのおっちゃんが乗客の乗車を促したり、次の目的地の名前を大声で叫ぶシステムである。「Next station is Shibuya」的な機械のアナウンス何てマジでない。

 

 

日本人の英語の発音もよくないけれど、インド人の英語の発音もこれまたクセがすごい。「べらんめぇ!こちとら江戸っ子じゃい。」的な発音の英語である。なんか巻き舌がすごい感じ。インド人がTOEICのリスニング問題を担当したら受験者全員200点台くらいになるであろう。

 

 

 

ぼくはバスに乗る前に、バスガイドに行き先を聞いた。ニューデリーのコンノートプレイスには行きますか?」

 

 

バスガイドのおっちゃんは「まかせろ!ニューデリーのコンノートプレイスに俺が連れて行ってやるぜ!」と大声で叫んだ。

 

 

頼もしすぎる。僕は「ありがとう」と言ってバスに乗り込んだ。人見知りのぼくには、知らない人に道を訪ねるだけで、赤面してしまうくらい大変なことだ。子供の頃に道に迷って、4時間くらい駅前で泣きながらうずくまっていたことだってある。

 

 

バスの乗客は8人くらいで、ぼく以外の全員がインド人だった。一般的なインド人は肌が茶色っぽくて、目が大きくギョロっとしている。一般的な日本人よりも肌の白いぼくは、より一層この場所で浮いているように感じた。

 

 

バスは、ゴロゴロと大きな音と排気ガスをたくさん出して暗闇をすすんだ。「東京都なら排ガス規制で一発アウトだぞ!」とぼくは静かに思った。

 

 

他の席が空いているのに、突然ぼくの隣にインド人のおじいさんが座った。ぼくが空港で拾った地図を広げて見ていると、「ウォォ」と低い声で何かを言った。どうやら「この地図を見せてみろ」とのことらしい。

 

 

ぼくはそのオジサンに地図を渡した。

 

 

するとそのオジサンは、まるで新聞記事の4コマ漫画だけ見る人のように、10秒だけ眺めてからぼくにまた地図を返してくれた。ぼくはずっと緊張していて終始無言だった。

 

 

途中、バスの窓が突然割れて緊急停車した。運転手が窓を確認すると「ノープロブレム」と言ってまた走り出した。どうやら窓が電柱に当たったか、誰かに石を投げられたらしい。何が「ノープロブレム」なのか、、何とも不思議な国だ。

 

 

 

ぼくが降りたい駅は、ニューデリーにある「コンノートプレイス」というところだった。

 

 

ガイドブックによれば空港からバスで50分前後でつくらしい。僕は時計を見ながら、神経を耳に集中してバスガイドのオジサンの案内を聞いていた。「ジャガジャガーー」「デンデルーー」何と言っているかはわからないけれど、「コンノートプレイス」ではないことだけは確実だった。

 

 

念のため、38分くらいたった時に「ここはコンノートプレイスではないですよね?」と聞いた。「そうだ。違うぞ。」とオジサンは答えた。

 

 

48分でも聞いた「コンノートプレイスではないですよね?」またオジサンは、「違うよ。」と教えてくれた。

 

 

もう夜も22時を過ぎている。東京では何でも無い時間だけど、初めてくる海外の22時はとても不安に感じた。僕は降りる場所を間違えないようにとバスガイドのおっちゃんの1番近い席に座って、地図も開かずに、ただただ案内だけを聞いていた。

 

 

50分経っても60分経ってもオジサンは「コンノートプレイス」とは言わなかった。まぁ、ガイドブックよりも時間がかかることは当然あることだろうと思ったけれど、その一方で不安で一杯だった。

 

 

1時間10分経って、もう一回オジサンに聞いた「コンノートプレイスはまだですか?」

 

 

オジサンは答えたえっ、コンノートプレイスはもう通過したよ。2個前のバス停だよ!?」

 

 

 

「えぇぇぇぇぇ、、!!何でだよ!!??」

 

 

目的地の「コンノートプレイス」はもう既に通過していたらしい。

 

 

あんなに聞いてたんだから、せめて教えてよ。。

 

 

それでも、バスは止まらずに暗闇を進んで行った。

 

 

つづく。。。

 

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