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大学生のインド旅行記【第18話】公務員試験

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インドは、最低で、最低で×100、最高な国だった。これは人見知りがインドに行って人生が変わった話。

 

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僕は年上の日本人、「原田さん」と一緒に両替所に向かった。

 

 

二人で両替所に歩いている最中、

 

 

「モンキーキック君、ボクは会社でパワハラを受けていたんだ。」

 

 

と原田さんは僕に言った。

 

 

「有名大学を出て、大企業に入ったんだけど、仕事があまりできなくてさ。毎日会社で怒られてばかりいたんだ。人格を否定されたりもしたんだよ。」

 

 

「毎日、会社を辞めたいと思っていたけれど、奥さんがいるから辞められなくてね。あの時はとても苦しかった。」

 

 

「ボクは会社に行きながら、寝る間を惜しんで公務員試験の勉強をしたんだよ。」

 

 

「そして、ボクは4月からついに公務員になるんだよ。それで公務員になる前に休みがとれたから、人生で初めての海外1人旅に挑戦することにしたんだ。妻も応援してくれたんだよ。」

 

 

 

「そうだったんですね、公務員試験合格おめでとうございます。」

 

 

「僕の就職活動は、あまり上手くいきませんでした。大企業には入れなかったし、社会人になることも不安でしかないです。」と僕は言った。

 

 

 

「モンキーキック君、大事なのは会社の大きさではないんだよ、自分にあった場所で自分なりに頑張るのが大事なんだと思うよ。ボクが言うのは説得力がないかもしれないけれどね。」と原田さんは言った。

 

 

一流企業に勤めている親戚のオジサンに「お前はもっと大きな会社に入れるはずだったのに、、」と言われたことがある僕は、原田さんの言葉を聞いて少し胸が軽くなった。

 

 

原田さんは、今日あっただけのただのオジサンなのに。。。

 

 

「僕も自分を変える挑戦の為に、インドに来ました。」と僕は言った。

 

 

「モンキーキック君、インドはね、ボクタチ旅行者がインドを選んで、インドに来たんじゃないよ」と原田さんは得意そうな顔で言った。

 

 

「その言葉知っています!人がインドを選ぶんじゃない。インドが人を選ぶ。」ですよね?

 

 

「たしか、ガイドブックに書いてあったような。」と僕は言った。

 

 

 

「ははは、知っていたか。どこか馬鹿げている言葉だけど、ボクはこの言葉を信じているんだ。だって、日本で普通に暮していたらインドになんて来れないでしょう?長期の休み何てとれないしさ。」

 

 

「もし万が一、長期の休みがとれたとしても、至極真っ当な人間なら、ロンドン、パリ、ハワイに行くのが普通だよ。」

 

 

「もちろん、これはボクの主観であり、根拠なんてこれっぽっちもないけれどね、まぁ一種の血液型占いのようなものさ。」

 

 

「ボクはこう思うんだよ。インドに来る人はどこか変わっているってさ。普通の人とは違う感覚や、目標を持っているのさ。もしくは今の自分の人生に満足していないだけかもしれない。」

 

 

「それと、そういえば、こんなことも言われているよね。」

 

 

「インドは人によって評価がハッキリと別れる国だ。また絶対に来たいと思う人と、もう二度と来たくないと思う人にわかれるってさ。」 

 

 

「ボクは、今のところ大嫌いで、もう二度と来たくないけどね。」と原田さんは言った。

 

 

「ははは、僕も今のところインドは大嫌いです。」と僕は言った。

 

 

初めて会った人とは思えないくらい、僕と原田さんは気が合った。東京の道端で、突然こんなに年上の人と話すことなんてないだろう。

 

 

何万人もの日本人と、毎日すれ違っているのに。

 

 

 そうこうしていると、両替所についた。

 

 

原田さんは、嬉しそうに両替所の人からお金を受けとっていたので、僕はお節介にも横から割って入って、両替所のインド人にネコババしたお釣りを1枚返すように言った。

 

 

正しい金額のお釣りが戻ってきたことによって、僕は原田さんにとても感謝された。

 

 

原田さんの目的が達成されたあと、

 

 

「モンキーキック君は、どこか行きたい場所はないの?」と原田さんは言った。

 

 

「実はエア・インディアに行きたいんです。」と僕は言った。

 

 

「エア・インディアかぁ、ボクには場所が分からないけれど、一度JALに行ってみるのはどうかな?この両替所の近くにさっき見つけたよ?」と原田さんが言った。

 

 

その言葉は僕にとって、まさに目からウロコだった。

 

 

確かに、同業者であるJALなら、エア・インディアのことを何か知っているかもしれない。」

 

 

僕と原田さんは両替所からJALに向かった。

 

 

靴についてしまった「牛の糞」には気にも留めず、

 

 

僕らは力強く前へと歩きだした。

 

 

「小さな希望」と「インドの地球の歩き方」をそっと胸に抱きながら 。

 

 

つづく。。。

 

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